自分の道
小児喘息で細くて小さな身体の自分に、医師から体を鍛えるよう言われました。無理なく体も使い、知識も必要で、常に学んでいかなければならない好きなものを仕事に選べば一生飽きることなく知的好奇心を持ち続けることができると思いました。14歳の時に、地質学、科学、数学、美術、美術史、経営学、哲学などを必要とし学べるものとして、陶芸に出会いました。90歳で退職し、その後は趣味で陶芸ができればと思っています。
生活はいつも陶芸とつながり、陶芸はいつも生活につながっています。家族がいて自分がいて陶芸があります。自分の知識、センス、哲学、ポリシー、技術を使い制作し、薪窯により自然の力を借り焼き上げ、使い手がそこに料理を盛りつけて初めて作品が完成します。多くの共同作業で成り立っています。陶芸の奥の深さの虜になってしまいました。
また、陶芸家は窯焚きをするたびに自然環境に悪影響を与えていると言っても過言ではないでしょう。その中で最小限に抑えられればと思い、今の窯をデザインして建てました。化石燃料のガスや灯油を使うのでなく、薪のためにわざわざ木を切るのではなく、端材・廃材を使い短時間で窯を焚けます。この窯の設計図のほしい人にはコピーをあげています。今までに何人もの人が、世界中いろいろな場所でこの窯を建てています。
現在、自然に囲まれた古民家で妻と子供たち4人と暮らしています。時には家庭優先で仕事が二の次になってしまうことも あり、俗に言う贅沢はできませんが、家族と共に幸せに生活しています。
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